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in situ ハイブリダイゼーション

in situ ハイブリダイゼーションは、組織中で目的遺伝子の発現部位を解析する方法です。組織切片を用いて組織における細胞レベルでのmRNAの分布を調べる方法(切片in situ ハイブリダイゼーション)と胚をまるごと処理して胚全体における空間的なmRNAの分布を調べる方法(ホールマウントin situ ハイブリダイゼーション)の2種類の方法を実施することが可能です。弊社では、マウスの組織および胚について、サンプル調整から、RNAプローブの作成、ハイブリダイゼーションまでを実施いたします(※1)。また、プローブ作製のみを実施することも可能です。

染色済みのサンプルは、実態および正立顕微鏡を用いて撮影を行い、画像データを納品します(※2)。蛍光ラベルを用いた場合には、退光を考慮して、撮影の有無を選択していただきます。ホールマウントにおいて、胚内部の発現部位の詳細な解析が必要な場合には、染色済みサンプルから切片を作製して解析することも可能です。

※1その他の生物種につきましては、お問い合わせください。

※2撮影後のサンプルは、ご希望に応じて返送しております。

in situ ハイブリダイゼーションの説明

胃AS ×20胃SE ×20
胃 AS ×20胃 SE ×20
脳AS ×20脳SE ×20
脳 AS ×10脳 SE ×10
腎臓AS ×20腎臓SE ×20
腎臓 AS ×20腎臓 SE ×20

ご提供サンプルの調整法について

プローブをご提供頂く場合

プローブの標識にはDIG(ロシュ・ダイアグノスティックス社)を用いてください。DIG以外の標識プローブに関しましては、ご相談ください。放射性同位体により標識されたプローブやRNA以外のプローブは対応できません。

プローブの設計について

プローブの設計には次のサイトのご利用をおすすめします。(プローブサーチ:http://probe-search.ccr.tokushima-u.ac.jp/probe_search/index.html)動物種と遺伝子情報を入力すれば、最適なプローブ領域を選択し、プローブ用テンプレートの増幅に必要なPCR用プライマーを設計することが可能です。目的の遺伝子にアイソフォームが存在する場合には、特異的な配列部位に注意して設計してください。分析に適したプローブの長さは0.5kb〜1.5kbを推奨しております。プローブを長くすると、シグナルを増強し非特異的なハイブリダイズを抑えることが可能ですが、細胞内のmRNAへのアクセスする確率が下がる場合があります。

解析に必要なプローブ量について

切片の場合は、1解析あたり2μg以上のRNAプローブ(アンチセンス、センス共に)をご用意ください。ホールマウントの場合は、1解析あたり4μg以上のRNAプローブ(アンチセンス、センス共に)をご用意ください。

プローブ作製からご依頼いただく場合

RNAプローブを作製するための鋳型DNAについて鋳型となるDNAをご提供ください。サンプルは、事前に電気泳動を実施していただき、泳動結果を添付してください。鋳型となるDNAをお持ちでない場合は、事前にご相談ください。別途費用にてクローニング等、鋳型DNAの調製から承ります。DNAは1μg必要です。テンプレートDNAへのRNaseの混入には十分注意してください。RNaseの混入が予想される場合は、事前にPCI処理-エタノール沈殿等を行うことをお薦めします。

組織等の解析サンプルをご提供いただく場合

固定法について、in situ ハイブリダイゼーションに用いるサンプルの固定には、4%パラホルムアルデヒドを用います。(未固定凍結組織や他の固定法についてはご相談ください。)重要なポイントはRNAが分解しないように速やかに固定することです。マウスの場合、灌流固定を行い、組織の取り出し後、すみやかに固定して下さい。大きな組織の場合は、固定液が浸透しやすいよう、組織の必要な部分のみをトリミングしてください。また、剥離防止コート処理(MAS等)されたスライドガラスを用いてください。詳しくは[補足:切片について]をご参照ください。

ご依頼の際に必要な情報について

[プローブ作製からご依頼いただく場合]

提供プローブについて、

[プローブをご提供いただく場合]

注意点

本分析を実施の際には、組織に応じたポジティブコントロールの分析を同時に行います。コントロールで発現が見られているにもかかわらず、目的遺伝子の発現が確認されなかった場合には、発現量が検出感度以下であるとして結果を報告いたします。上記の場合も、分析費用は請求させていただくことになりますので、発現量の低い遺伝子である場合等は、十分にご検討ください。

サンプルをご提供頂く場合は、RNAの分解にお気をつけください、サンプル調製に関しましては、特に固定法が最も重要ですので固定法に関する項目をご覧ください。また、ご提供いただく核酸につきましては、核酸の分解およびRNaseの混入にご注意ください。RNAプローブの保存や輸送に関しては、プリザベーションプレート(WATSON)を推奨しております。

価格

分析項目価格(税別)
プローブ作製\150,000〜/1検体
切片in situ ハイブリダイゼーション\250,000〜/1検体
ホールマウントin situ ハイブリダイゼーション\200,000〜/1検体
追加分析\50,000〜/1検体
染色後のサンプルの切片作製\100,000〜/1検体
追加免疫組織染色\100,000〜/1検体