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免疫組織染色

免疫組織染色は、組織中で目的タンパク質の発現部位を解析する方法です。組織切片を用いて組織における細胞レベルでのタンパク質の分布を調べる方法(切片免疫組織染色)と胚を丸ごと処理して胚全体における空間的なタンパク質の分布を調べる方法(ホールマウント免疫組織染色)との2つの方法を実施いたします。

解析には、免疫組織染色に使用可能な抗体を提供していただく必要があります。また、サンプルの固定法や抗体濃度は、使用する抗体に合わせてご指定ください。染色済みスライドを納品致しますので、画像データを取得する場合は別途費用が必要となります。ホールマウントにおいて、胚内部の発現部位の詳細な解析が必要な場合には、染色済みサンプルから切片を作製して解析することも可能です。

免疫組織染色の説明

マウス膵臓マウス腎臓[皮質]マウス胃[腺胃]
マウス膵臓マウス腎臓[皮質]マウス胃[腺胃]

ご提供サンプルの調整法について

固定法(組織サンプルの調整法)

組織サンプルの固定法としては、パラホルムアルデヒド固定、グルタルアルデヒド固定、アルコール固定などが一般的ですが、一次抗体の種類によっては固定法を検討する必要があります。

タンパク質の分解を防ぎ、組織の形態を維持するために、組織を取り出してから速やかに固定を行ってください。大きな組織の場合は、固定液が浸透しやすいよう、組織の必要な部位のみをトリミングしてください。また、低温下での長時間固定(※1)や固定液の十分な液交換を行ってください。

※1一例として、マウスE10.5の場合4℃、12時間など。組織の大きさにより固定時間を延長してください。

抗体について

一次抗体についてはまず特異性の高い抗体を選ぶのが一番のポイントです。ウエスタンブロット解析で使用可能な抗体が免疫染色に必ずしも使えるとは限りません。免疫組織染色に実績のある抗体をお選びいただくのが確実です。

二次抗体については蛍光抗体もしくは酵素抗体をお選びください。

蛍光抗体法
多重染色が容易ですが、長期保存には向きません。シグナルがシャープで、細胞内でのタンパク質の所在を調べるのに適しています。
酵素抗体法
保存性が良いですが、シグナルが拡散してしまうので組織全体でのタンパク質の分布を知るのに適しています。

ご依頼の際に必要な情報について

注意点

本分析を実施の際には、組織に応じたポジティブコントロールの分析を同時に行います。コントロールで発現が見られているにもかかわらず、目的遺伝子の発現が確認されなかった場合には、発現量が検出感度以下であるとして結果を報告いたします。上記の場合も、分析費用は請求させていただくことになりますので、あらかじめ発現量の低いタンパク質である場合や使用する抗体に免疫組織染色の実施例がない場合等は、十分にご検討ください。

価格

分析項目価格(税別)
切片免疫組織染色\5,000〜/スライド
ホールマウント免疫組織染色(※2)\180,000〜/1検体
追加分析\50,000〜/1検体
染色後サンプルの切片作製\100,000〜/1検体
追加免疫組織染色\100,000〜/1検体

※2胚ホールマウント:マウス胚(特にご希望がなければ10.5日胚で実施します)

納期

約1週間〜

分析条件によっては、納期が前後する場合があります。